なぜ、避難すべきか

福島原発事故は報道されないけれど、どうなっているの?

2011年3月11日から、「人類史上最悪」の核事故が今も続いています。原発の上から出た放射能が東日本全域を覆っています。下から出続ける汚染水は猛毒のトリチウムを含んで太平洋・世界中を汚染しています。福島原発からは何と広島原爆168発分もの放射性セシウムが放出されました。

今も日本は「原子力緊急事態宣言」中です。これにより被ばく許容量が勝手に引き上げられ、私たちの住む場所や食べるものは、事故前の数十倍もの放射能汚染を強要されています。この結果被ばくによる健康被害が急増し始めました。福島県と関東・宮城は山などが無く地続きのため、被害者は莫大です。広島・長崎でもチェルノブイリ事故でも、被害は5~6年目から急増しました。福島原発事故も今がその時です。

被ばくによる健康被害とは?

がん・心臓病・白血病・脳梗塞などの大病から、うつ・アレルギーの悪化や生活能力の減退まで、あらゆる体調不良が出ています。子ども・若者・女性や敏感な人から影響が出ます。若手著名人の急死が増えていることも、影響しているからだと思われます。福島・関東の病院の発表データでも、11年以降にがんなどがはっきり増えています。詳しくは私たちのHPを見て下さい。右ページのように、主要地点の空間放射線量だけでも、関東に現在の4500万人が今後も住み続けると、何と毎年約40万人、50年間で約1200万人もの死者が予測されるのです。福島でもこうした計測と計算が必要です。

被曝が病気の原因だと言い切れないのでは?

国が唯一調査する、福島県の18歳以下の小児甲状腺がんは、通常100万人に1~2人しか出ないものが200人以上に激増しています。病気は様々な要因の複合で起こります。全ての東日本在住者は内部被曝をしており、病気要因の一つに被曝があります。自然界に無い猛毒の核物質が体に入ると、大病は促進されます。それは「被ばく被害だ」と公言できることであり、国と東電の責任であり、国と東電に「殺されること」です。

なぜ問題にならないの?

政府、東電、メディアが全力で隠しています。事故責任を追求されたくないのと、被害者に賠償をしたくないからです。事故直後に避難区域をとても狭く円状に設定したため、「自分は被害者ではない」という意識が多くの人にすり込まれました。国はその後、「頑張ろう福島/日本」のかけ声でごまかし、避難者の住宅支援などを全て打ち切る「帰還政策」を強行。汚染も被害も避難者の存在もかき消しました。何の補償も避難支援もなく、考えたら絶望的になるため、私たちは被ばくや避難を話題にできなくなったからです。でも実際は影で被害者、避難希望者、避難者は増え続けています。

私たちはどうすればいいの?

まず、問題の大きさと、自分たちが原子力被災者=被害者であることを思い出すことです。その上で放射能からは距離を取ることが正解です。西日本・北海道・海外などへの避難移住です。簡単には動けないし、時間がかかります。だから被害や避難希望を公言し、同じ思いの人たちと一緒に準備を始めて、支援を求め、国・東電にも避難政策を要求することです。

私たちも、全国の避難者や住民も避難を支援しています。首都圏以外は家賃が大きく下がります。仕事は探せば必ずあります。低所得でも助け合えるよう、避難移住者は近い地域に住み合えばいい。子育て、介護を助け合い、仕事もシェアするのです。避難者が声を上げ、今年から大阪市営住宅に誰でも入れるようにしました。つまりすでに避難した人たちの近くに来たり、理想は地域や運動体や学校・職場ごとに声を掛け合って集団移住することです。集団移住は外から見えやすくなり、避難者の無視や切り捨てを防ぐ力になります。

福島にも関東にもみんな残っている
自分だけ被害や避難は言えない

いま必要なのは未来予測です。共倒れか、共に生き延びるか。子どもの未来が奪われています。福島に父親を残した母子避難者も多く、体調面や経済面が深刻に悪化しています。避難者が増え、避難が当たり前になるほど、国や自治体は避難先の住宅作りや仕事作りに動かざるをえなくなり、多くの命が救われます。全国の原発再稼動を止め、人の命よりカネ、という今の政治・経済を根本から変える力にもなります。自分も避難、みんなも避難、つまり集団避難です。

国は首都圏に労働力を縛り付けるために福島からも避難をさせず、オリンピックまで強行します。自分が残り続けることで、他の人々も避難できなくなります。避難は後に続く全ての人の命を守ることです。人生を逆算し、避難時期を決め、それまでにやることを決めましょう。地域、組織、グループごとの移動を考え、避難先で避難者として声を上げましょう。それが未来への最大の希望です。

PAGE TOP